夢幻行夜-mugenkouya-

プロローグ

A.D.1569年ヨーロッパではモンゴル帝国を押しのけ、ポーランド王国とリトアニア大公国の合同国、ポーランド・リトアニア共和国が、ヨーロッパ大陸最大の国家となった。

しかし、A.D.1795年近隣の強国であるロシア、プロイセン、オーストリアによって領土を奪われ、この国は消滅した。

ポーランド・リトアニア共和国発足時から従事していた小さな軍事組織があったが、設立してから解体されるまでの僅か二百年余りで様々な事件を起こしてきた。

雇い主である大国に喧嘩を売り様々な戦争や蜂起を起こし、他所の国の傭兵をし、内部分裂をしたあげく衝突し滅亡の危機を自ら作ってしまったりと、自由と平等の名のもとに戦争だらけの中世ヨーロッパを駆け抜けた彼等の名は、ウクライナ・コサックと呼ばれた。

これは、19世紀初頭、そんな末裔達が織りなす、
小さな小さな与太話しである。