第1章

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ハルカとヒナノは親友でこそあったが、れっきとしたバトル仲間でもあった。冒険をしながら、制限時間内にどれだけの数の魔物を倒せるか競う。クエストのクリア回数を競う。1対1で真正面から戦い、競う。 仲が良いのに、競い合う。2人は、特殊な親友であった。 だが、いくら競い合っても互角。倒した魔物の数は必ず同じ、クエストのクリア回数も同じ、真正面から戦っても決着がつかずまわりの冒険者に止められる。 戦い好きで、勝利の爽快感が大好きであるハルカは、いくら戦ってもヒナノに勝てずもどかしさを覚えていた。 陰でレベル上げをしても、気が付けば2人とも同じレベル。強い装備を手に入れたと思ったら、相手も同じ装備を手に入れている。 知らぬ間に、2人は「双子の冒険者」と呼ばれるようになっていた。 そんな2人は今日も広大な草原で、レベル上げを兼ねて冒険をしていた。
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