せめてもう一度だけ

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からん 天使の母親だった女が出て行ったあと、 俺はテーブルの上のカメラを取りあげ、 もう一度画面を見た。 羽はまさしく純白で、今までイラストなどで見た天使の羽よりもずっと大きい。 ・・・知らないと救えないから、か・・・ 今日撮った画像をすべて削除してから、 カウンターの中の隅っこに飾られている、 祖父の写真に目をやった。 ・・たいそうな能力、残してくれやがって・・・ 憑依の後遺症で重たい頭にそっと手のひらを当ててみる。 ・・・まあ、今回はよかった。珍しいものも見れたし。 帰り際、天使の最後の伝言を伝えた時の、女の嬉しそうな顔が 浮かんだ。 「あのこと」も伝えた方がよかったかな? 天使は最後の最後にこう言って去っていった。 ・・・今度来る子は、体は丈夫だけど、相当やんちゃだからね! 覚悟しといてね・・・ といたずらっぽく笑いながら。                完
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