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でも、もう抑えることができなかった。
もう一度、もう一度でいい、あの子に会いたい。
そしてできることなら、元気に笑うあの子の姿を見たい。
こらえきれなくなった涙が溢れるまま、私は男性を見つめ言った。
「確かにおっしゃるとおりです。これは私の自己満足なんです。
元気に笑うあの子を一目だけでも見たい。
この目に焼き付けておきたいんです」
「どうぞ、写真を撮っていただけないでしょうか」
頭を下げた私のスカートに再びシミがひろがった。
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