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煙突から煙が上る、古ぼけた作りの小さな、しかしかわいらしくも見える木造の家でした。
ヘンゼルがドアをノックします。
「おやお客さんかい。どうぞおあがりくださいな。」
中に通されると、そこはすべて手作りに見える木製の家具に、これも手縫いの花模様の刺繍が入ったテーブルクロスやカーテンが驕奢すぎない女性的な統一感のある趣味を醸し出した空間で、主である、オールドスタイルの服にフリルの白いエプロンをまとい、眼鏡の奥から優しそうな瞳がのぞく老婆が迎えました。
手作りのお菓子を近所の人に送ってくれるという評判どおりの、落ち着いた優しげな雰囲気を醸し出した人物です。
「こんにちはおばあさん。この前お菓子を送っていただいたヘンゼルです。」
「妹のグレーテルです。今日はそのお礼を言いに、お兄ちゃんと。」
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