戦国ジェンダー

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戦国ジェンダー

武田信玄と上杉謙信が川中島で戦う中、 海の無い甲斐の国は、 深刻な塩不足に陥ったが、 なんと敵である越後より塩が送られ助かった。 俗に言う敵に塩を送るである。 これには武田信玄は躑躅が舘で、 上機嫌に高笑いした。 「ははは!謙信め! 敵の儂を助けるとはやりおる、 中々の男気よの」 しかし隻眼片足でヤマカン語源の軍師、 山本勘助は異を唱えた。 「いいえ!謙信は男では有りません! 実はおなごとの噂が有りまする」 これを聞くと衆道家でも有る武田信玄は、 不機嫌な顔になった。 「たわけ!何を言う!? もしそれが真なら奴を自害に追い込む!」 すると今度は真田幸村の父でいて、 後に徳川に勝った家臣の真田昌幸が答えた。 「いえ!我が真田十勇士の忍び達曰く、 男で間違いなかったとの事!」 「はっはっは!流石昌幸じゃ! 天晴れ天晴れ!」 だが今度は百足衆達が穴を掘るの中断し、 泥だらけで鋤を抱えて押し寄せて来た。 「俺は女が良いでーす!」 「穴堀りなら男だろ!」 「いや女だ!」 「男だ!」 これには風林火山の火の如く、 武田信玄は怒り出した。 「ええい林の如く静かにせぬか! どちらか分からなくなるであろう! 儂自ら確かめる! 謙信自ら我が陣地に誘い込むので、 儂は動かざる事山の如く待ち構える! 決して討ち取ってはならぬぞ」 「そ!そんなあ!」 「殿が討ち取られるのでは?」 「ええい!謙信の性別を確かめるまで死ねぬわ!」 かくして上杉謙信は、 速きこと風の如く直接斬りかかり、 武田信玄は軍配でそれを防いだものの、 捌くのに精一杯で結局分からなかったとさ。
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