暇ならゲームをしませんか?

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 「でも、どうしようかな?脅かすのも痛めつけるのもダメだったし。」  桜井は考えた姿勢で立ち止まる。  「もう終わりにするか?時間も出来ることもないだろ?」  立川が言う。  「ただ、罰ゲームは受けてもらうけどな。」  「むぅ。」  桜井は考えていた顔から苦しい顔に変貌する。  それから桜井はあの手この手で立川を叫ばせるよう努めた。こしょばして笑わせようとしたり、挑発して怒らせようとした。それでも立川が叫ぶことはなく、無情にも時間だけが過ぎていった。  キーンコーンカーンコーン  授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。同時にゲーム終了、桜井の負けが決まった。立川は意気揚々とアイマスクを取る。  「よし、これでゲーム終了だな。」  立川が桜井に向けて言う。ただ、周囲に桜井の姿はなかった。  「ん?どこ行った?」  軽く周りを見渡しても桜井の影すらつかめない。探しているうちに教卓に置いたままにされていた罰ゲームの書かれた紙に目が留まった。  「…先に罰ゲームでも確認しとくか。」  立川は折られた紙を広げる。そこには5文字で書かれた罰ゲームの内容があった。  「…ケツバット?」  立川がその内容を読み上げる。  「さーくーらーいー。俺、既に罰ゲーム受けてるじゃねーか!」  立川が沸々と湧き上がる怒りを露わにする。状況を理解すると同時に、桜井が逃げたのだということに気が付く。教室から飛び出して左右に伸びる廊下を見渡す。遠くの方に桜井が逃げ走る様子が見えた。  「テメェー、待てコラー!」  立川が叫んで追いかける。  「コラー、廊下を走るなー。」  遠くで出目金先生の叫ぶ声が響いていた。
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