暇ならゲームをしませんか?

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 ゲームは「叫んだときに隣の出目金先生に聞こえないとダメ」という妙に細かいルール規定により、教壇で行われた。時間はチャイムが鳴って隣のクラスの授業が終わるまで。立川は叫んで出目金先生から怒られたら負け。叫ばなければ桜井の負け。桜井は立川に叫ばせるためにやることは何でもあり。ただし、危ないことやズルをするのは無し。桜井の提案で負けた方には罰ゲームあり。  「罰ゲームを先に言っちゃったらつまんないでしょ?でも罰ゲームが決まってから発表ってものズルいから紙に書いておこう。」  そう言うと桜井は白い紙に罰ゲームの内容を書いて二つ折りにしてから教卓の上に置かれた。  「始めたはいいけど、俺あんまり驚く方でも大声出す方でもないぞ。」  「大丈夫、大丈夫。」  そう言いながら桜井は自分のカバンの中をまさぐる。  「じゃあ、まずはこれをつけて。」  桜井がカバンの中から取り出してきたものを立川に差し出す。  「アイマスク、…目隠しかよ。っていうか何でこんなもの学校に持ってきてんだ?」  「だって授業中って眠いじゃん?私たち、大学決まって授業聞く気にもなれないし…。」  桜井は少し照れ臭そうに答える。  「お前、ほんとに勉強した方がいいんじゃねーか?俺が言うのもなんだけど。」  立川は心配そうな目で桜井を見る。  「いいの!ほら、今はゲーム中でしょ。早くアイマスク付けて。」  「はいはい。」  立川はおとなしくアイマスクを付け、教壇に立った。  「わっ!」  桜井が立川の背中側から驚かす。桜井は立川が見えていないにも関わらず、手の動作までつけていた。立川はノーリアクションで受け流す。  「さすがにこんなんじゃ驚かないかー。」  「当たり前だろ。」  次に、桜井は立川の手をとって歩かせた。アイマスクを付けた立川は桜井に促されるままに黒板の方を向かされて黒板間近に立たされた。桜井は何も言わず立川の両手を持って黒板にもたれかかるように置かせる。立川は教壇から生徒の座に向けてお尻を突き出したような体勢になった。  パンッ  桜井が丸められた教科書を使い、フルスイングで立川にケツバットをした。  「いっ…」  立川は叫ぶ声を必死に押し殺す。  一度、深呼吸をはさんで声のボリュームを下げてから仕切りなおした。  「…、痛ってー。そういうの、ありかよ?反則だろ。」  「って言ったじゃん。でも、今ので叫ばないんだったら叩くのは意味ないだろうし、もうしないよー。」  「ふざけんなっ。くそ、次やったら反則にするからな。」  「わかったよー。」  桜井は立川が怒るのに反していたずら顔で笑う。
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