いつもの朝

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「よかったら、これどうぞ」 まだ飲んでいなかった牛乳パックをテントの前へ。 「寛ちゃーん、行くよー」 阿波野の呼ぶ声。 「はーい」 元気よく返事して、寛太は阿波野の元へ。 冷たい風の音だけが響くテントの前。 テントの中には、冷たく動くことのない浮浪者。 牛乳パックが中に入る事はなかったが、青白くなったしわくちゃの顔は優しく微笑んでいた。
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