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寛太が到着すると、全員が揃っていた。
「じゃあ、出発しまーす」
六年生の阿波野が声を掛け、学校に向かって歩き出す。
一年生の寛太は一番後ろに並んでみんなについていく。
風がまだ冷たい河川敷の堤防。
「なにか聞こえる」
パンを食べ終えた寛太は列を離れ、堤防を駆け下り草むらの中へ。
聞こえる音を頼りに草むらを進んでいくと、
「可愛いー」
少し開けた場所で、子猫がミャーミャー鳴いていた。
子猫の前には深めの紙皿が置いてあり、
「僕と同じだねー」
寛太が持っている牛乳パックの空が転がっていた。
「これ美味しいよね」
紙皿の隅に残っていた牛乳を、皿を傾け子猫の口元へ。
子猫はミャーと一声鳴いて、紙皿をペロペロと舐めた。
飲み終わった子猫の頭を撫でていると、
「あれ何だろう?」
子猫の後ろの草むらの中、ビニールシートで出来たテントのようなものを見つけた。
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