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寛太がテントの方へ向かおうと動き出した時、
「寛ちゃん、ダメじゃないか勝手に離れちゃ」
背後に阿波野が立っていた。
「ごめんなさい、猫の鳴き声が聞こえたから……」
寛太の目線を阿波野が追う。
「みんな待ってるから、行こう」
「でも……」
寛太の目線はまだ子猫。
阿波野は子猫を抱き抱え、
「このままにしとく訳にはいかないよな。
学校へ連れて行って先生に相談してみよう」
堤防へ向かって歩き出す。
「うん!
ありがとう」
寛太もその後ろについたが、
「ちょっとだけ待って」
振り返って草むらに分け入った。
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