いつもの朝

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寛太がテントの方へ向かおうと動き出した時、 「寛ちゃん、ダメじゃないか勝手に離れちゃ」 背後に阿波野が立っていた。 「ごめんなさい、猫の鳴き声が聞こえたから……」 寛太の目線を阿波野が追う。 「みんな待ってるから、行こう」 「でも……」 寛太の目線はまだ子猫。 阿波野は子猫を抱き抱え、 「このままにしとく訳にはいかないよな。 学校へ連れて行って先生に相談してみよう」 堤防へ向かって歩き出す。 「うん! ありがとう」 寛太もその後ろについたが、 「ちょっとだけ待って」 振り返って草むらに分け入った。
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