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そして、それを迎えに行くのが俺の仕事だ。
本来ならば、迎えに行くだけで良いのだが、俺はその前にちょっとしたもてなしをする。
ほんの少しでも、この世に楽しかった思い出を残してやるために。
それは、なにも優しさからではない。
あまりにも辛い想いをしすぎた者は、天界に来ても家にひきこもったまま、課せられた修行をしなかったり、いざ、転生する時に、生まれ変わるのがいやだ!とだだをこねる傾向が強い。
そういう手間を減らすために、俺はこっそりとそいつらに出会い、楽しい思い出を作ってやってるというわけだ。
俺のおかげで、どれほど大勢の人間が救われたことか。
きっと、上の方もそのことをわかってるから、何も言わないんだろう。
そう想うと、俺の顔には自然に笑みが浮かんだ。
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