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「つまり、あなたの奥様と由希子が交際していた。あなたはそう言いたいのでしょうか？」
俺は、抱いた疑問をそのまま口にした。
若林は、頷いた。
「はい」
「確固たる証拠は？」
「ありません。しかし、あの葬儀を見ている時に、確信したのです。由希子さんと妻は、深い絆で結ばれていたと」
「その探偵の方から何か聞いたとかではなく？」
「いえ、全く」
「でしたら、あなたがおっしゃていた肝心な話とは、なんなんですか？」
「それこそ、私が思う憶測です。由希子さんと妻は結ばれた関係だった」
「すみません。私には、よくわからないのですが」
「そう思われても仕方ありません。だからこそ、この事実をはっきりと知るために、由希子さんからお話を聞く必要があります。私は、本当のことを妻本人の口から聞きたかった。下らないこだわりだと、思われるかもしれませんが」
「でしたら、依頼された探偵の方に確かめて頂いた方がいいのではないですか？」
「おっしゃる通りです。しかし、妻が亡くなったあと、男は、私からの依頼を取り下げてほしいと申し入れてきたのです」
「どうしてですか？」
「元の依頼者に、それがバレたからだと言っておりました」
突然にやってきたこの男は、一体何を言っているのだろうか？ 俺は、頭を上手く整理できなかった。
若林は言った。
「私は、由希子さんと面識がありません。ですから、私に力を貸していただけないでしょうか？」
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