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「何だったら、本当にこの人に言ってあげようか? お宅が頼んだ事務所は、交換条件を出してきた挙句、私に金銭を求めて、調査は何も見つからなかったってシラを切ろうとしてますよって」
「そんな出鱈目を」
「じゃあ、相手に話すよ」
「もう、卑怯ですよ」
「お互い様よ」
日岡は、ため息をついた。どうやら諦めたのかと踏んだ。
「やっと話が進みそうね。で、こいつは誰?」
「その前に、あなたに聞きたい事があります」
「聞いてるのは、こっち」
「これを確認させてもらった方が話がスムーズに進みます」
腹の立つ言い方だ。
「何よ?」
「あなた、生まれてから父親に会った事がありませんよね?」
「そんな事まで調べてんの。誰が言った? 教えろ?」
「落ち着いて下さい。そんなこと言えませんよ。それに、こんなこんな事くらい、やろうと思えば誰でもできますよ」
「気持ち悪い。っていうか、それが何の関係があるの?」
「勘がいいあなたならわかるでしょ? あなたの夫からの依頼ですよ」
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