素晴らしい悪夢

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嵐のような出来事が去ると、 それこそ何事もなかったかのような、 平穏な日常の風景が目の前にあった。 見慣れた家の庭で、 わたしはただ立ち尽くしていただけだったのだ。 振り返ると、茶の間には新聞を読んでいる父がいたし、 昼食を用意している母が台所に立ち、 何か作っているのが見て取れた。 狐につままれるような、 不可思議な面持ちで家に入ろうとすると、 サンダルを履いていた足首に、 感じたことのない違和感があった。
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