2人が本棚に入れています
本棚に追加
嵐のような出来事が去ると、
それこそ何事もなかったかのような、
平穏な日常の風景が目の前にあった。
見慣れた家の庭で、
わたしはただ立ち尽くしていただけだったのだ。
振り返ると、茶の間には新聞を読んでいる父がいたし、
昼食を用意している母が台所に立ち、
何か作っているのが見て取れた。
狐につままれるような、
不可思議な面持ちで家に入ろうとすると、
サンダルを履いていた足首に、
感じたことのない違和感があった。
最初のコメントを投稿しよう!