素晴らしい悪夢

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足は、 自分の思う方向と逆を向いていた。 地面に張り付いたのではないかと思うほど、 ごく自然にねじ切られたような感じがした。 バランスを崩し、前側に倒れ込みそうになる身体を 反対の足で踏ん張ってみるが、 それも同じように明後日の方向を向いていた。 このままでは規則的に配置された庭石に倒れ込んでしまう。 両腕を伸ばし、手のひらで身体を支えようとすると、 地面についたその先端から、崩れるように分解した。 液体窒素で凍らせたバラが砕けるように、 言葉通りバラバラになった。
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