素晴らしい悪夢

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わたしに気付いた祖母は、 あんたもやらんとね?と、 どこから出したのかスーパーの袋と、 手に持っていたトングを渡した。 もうすでに充分なんじゃないかと思うほど、 2人の袋はパンパンだった。 むしろなぜビニール袋なんだろう。 イガが貫通して、ちょっとした凶器のようになっていた。 栗を拾おうとするわたしを、 あんたが採るんはこっちや、と、 不気味なものを指さした。 それは栗の木によく生息する、 黄緑の蛍光色でど派手な、トゲトゲした毛虫だった。 通常大きくても小指程度の毛虫が、 なぜか小動物並みの大きさになっており、 むしろ栗と同等か、それよりも大きいくらいに見えた。
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