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そのうち見ていられなくなったのか、
父がその暴れまわる袋をわたしから取り上げると、
そのまま庭の石に叩きつけた。
グシャッというイヤな効果音と共に、グエッという叫び声も聞こえた。
父は冷静に、足元に居る小動物並みの毛虫を捕らえると、
『コレはな…こうやって真ん中を掴んだら、内臓を潰すんだ』と、
トングを凶器のように虫のちょうど腹部に押し当て、力を込めて点いた。
潰れる音こそしなかったが、グハッという、
なんだか人間くさい叫び声が聞こえた。
『そうすると、ほら、こうなるだろ?!』と見せてくれたのは、
丸まって死んでいるであろう、ソフトボールほどの毛虫だった。
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