素晴らしい悪夢

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それは細かな糸だった。 ガツガツと旺盛に食べている祖母は、 すでに糸の壁に覆われて姿が見えなくなっている。 父も次第に丸い繭のような壁に包まれて、 何をしているのかすらわからなくなっていった。 そもそもわたしは何を見せられているのだろう。 その奇妙な光景から目を逸らせずにいると、 1mは超えるであろう2つの丸い繭が完成した。 あんなに足元に散らばっていた虫たちも、 いつのまにか居なくなっていた。
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