素晴らしい悪夢

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見慣れないと思っていたのは、自分の家の庭だった。 いわゆる箱庭で、こんな庭園のようではなかったからだ。 ただ、ところどころ面影があるのは、 なんというか自分たちが小さくなったかと思うほど、 広く余裕があることに随分経ってから気づいた。 そこには父と、すでに他界している祖母がいた。 何かをビニール袋に集めている。 掃除でもしているのだろうか。 適当なサンダルを履くと2人に近づく。 彼らはすでに持っている袋が限界なほど、 イガが付いたままの栗を拾っていた。 あぁ、なるほど。だから火挟みのような、 尺の長いギザギザのトングのようなものを持っているのか。 サンダルで近づいたことを後悔したが、 そもそも家に栗の木なんてあっただろうか…。
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