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「そういえばさ、あの子見たよ」と張本主任が急に思い出したように言う。
「あの子?」
「イケメンくん。なんだっけ」
「イケメンくん?」
「ほら。金子さん騒いでたじゃん」
「金子さん、いつもイケメンで騒いでますよね」
どのイケメンかと首を傾げる。
「そうだけど。あっ、思い出した。谷くんだ」
その名前に、心臓が弾んだ。
「谷さんですか?」
「うん。といっても、遠目で見ただけだけど」
「どこで見たんですか?」
「新しく出来たアウトレットモール」
「へええ」
「彼女かな? すごい奇麗な子といたよ」
「それは、彼女なんじゃないですか」と笑って答えた。
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