tapiocapudding

4/11
前へ
/687ページ
次へ
◇ 今日は何を食べようかなって、歩きながら考える帰り道。 一日の終わりも始まりも、だいたいひとりで迎えてる。 この前、張本(ハリモト)主任が唐突にくれたグリーンカレーのペーストがあったことを思いだして、二十四時間営業のスーパーで豆乳と野菜を買った。 大学生から一人暮らしをしていたせいか、すっかり慣れてしまったこの生活スタイル。 引っ越しは人生で二回目。一回目は大学生のときだった。 そのときは、ちょっと大人になったような曖昧な気分にくすぐられてたな。 学校から近いから、よく友達も泊まりに来てくれたし。楽しかった。 そして、恋もしてた。 それが大きかった。 それは、それは、冷たくて温かいお隣に住むひとつ上の学校の先輩。優しい目を長い髪の毛でひた隠して、ふとした時に綺麗な顔で笑うっていう。 確信犯的行為としか思えない立ち振る舞いに、何度もやられていた。
/687ページ

最初のコメントを投稿しよう!

200人が本棚に入れています
本棚に追加