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今日は何を食べようかなって、歩きながら考える帰り道。
一日の終わりも始まりも、だいたいひとりで迎えてる。
この前、張本主任が唐突にくれたグリーンカレーのペーストがあったことを思いだして、二十四時間営業のスーパーで豆乳と野菜を買った。
大学生から一人暮らしをしていたせいか、すっかり慣れてしまったこの生活スタイル。
引っ越しは人生で二回目。一回目は大学生のときだった。
そのときは、ちょっと大人になったような曖昧な気分にくすぐられてたな。
学校から近いから、よく友達も泊まりに来てくれたし。楽しかった。
そして、恋もしてた。
それが大きかった。
それは、それは、冷たくて温かいお隣に住むひとつ上の学校の先輩。優しい目を長い髪の毛でひた隠して、ふとした時に綺麗な顔で笑うっていう。
確信犯的行為としか思えない立ち振る舞いに、何度もやられていた。
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