谷さんは今日もつかめない

tapiocapudding

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スーパーの袋と思い出を抱えて、エレベーターを昇った。

ここのマンションに引っ越したのは、去年のことだった。二回目の引っ越しは、就職が決まったから。
日当たりが良いことと、駅から近いところはすごく気に入ってる。ベランダも他に見た物件と比べたら広かったし。
所謂、閑静な住宅街の中にひっそり建っているわけで、治安も悪くないから、女の子の一人暮らしとしては最適だと勧められて住み始めた。

だけど、私は足を止めてしまったのだ。

私の部屋のドアの前にうずくまってる人がいるからだ。

どうしよう、恐い。
ていうか、変な人がいるなんて治安以前に、マンションの管理に問題ありじゃない？
あっ、なんだか急に騙された気分。この感覚二度目かも。

前に住んでたアパートでも、仲介会社の人と言われたことと違うことがあったな。