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「布団敷いてあげたの」
「おっ、サンキュ。まあ、俺は同じベッドでもいいけどな」
「なにそれ。じゅういちまんろくせんななひゃく円だよ?」
また値上がってるって笑うと、濡れた髪の毛をタオルでわしわしする。それを肩にかけてから、私の隣に腰を落とした。
「何、考えてたんだよ。本当は?」
「本当のこと聞いたら、笑うよ」
「どうせ元彼だろ」
「………」
「しょうがねーだろ。どうせ、好きなまま別れたんだろ」
しょうがねーよともう一度言った。
「さっちはさ、どうなの? 初詣の子」
「どうなのって言っても、別に付き合ってねーしな」
「えー、でもイチャイチャしたりしてるんでしょ」と言うと、んーと言葉を濁した。肯定しなくてもそうだと伝わる。
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