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「離れてみると、少しだけ、わかるっていうか、結局わかった気になってるだけなんだけど、私が感じていたことより、もっと谷さんは私のこと好きでいてくれていたんじゃないかなって気がしてるんだ」
そう思いたいだけかなと笑った。へえとさっちは壁にもたれる。それにと続けた。
「元カノのこと忘れてほしいとずっと思っていたけど、忘れてなかったのは、谷さんじゃなくて、私だったのかもしれない。だから、そうとしか見えなくて当たり前だった。
それに、私自身も谷さんとさっちのことよく比べてたもん。さっちだったら、もっと気を遣わないで言えるとかさ。忘れてほしいとか言って、自分が出来てもいない事、相手に求めてたの。すごくおかしいよね」
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