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「何、めぐ、俺とあいつを比べて、やっぱりさっちの方がいいと思ってたのか」と茶化したように言うから、そうは言ってないでしょと否定した。
チェッと舌打ちをする。
「まあそれだけ。後悔しても仕方ないんだ」
「そうだな。俺に懺悔されても知らねーよって感じだしな」
「ぐうの音もでません」
「……なあ、めぐ」
「ん?」
「お前さ、なんで親に実家に帰るって言って断られたかわかるか?」
「なんでってさっちがさっき言ったみたいに、仕事辞めてまで、戻って来てほしいわけじゃないんじゃないの」
「めぐの心からの言葉じゃねーからだよ」
「………」
「あれだ。下心のある男に言い寄られたら拒否するだろ。それと一緒だよ」
「確かに、下心丸出しのさっちから言い寄られたら、そっこー追い出すもんね」
「おい」と横目で睨んで、まあいいと呟いた。
私は、さっちに言われたことは腑に落ちなかった。
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