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「まあ結局は、俺も同じだから言うけど。俺と結婚するから帰るっていうのはどうだ?」
「はっ?」とさっちを見た。
「したら帰る理由出来るだろ」
名案と得意げに笑った。
「かっる」と私は笑った。
さっちはバカだなと呟いて「本当の愛は綿毛みたいに軽いんだよ」と言った。
確かに綿毛って種だし、愛そのもののような気もするけど。
「それにさ、前に結婚前提に付き合ってみない? って言っただろ」
「うん。言ってたね。そういうこと」
「俺、変わってないけど」
「え?」
「あの日から、変わってない。この前、電話すんなって言われた日から。ちっとも」
言葉を失う。さっちの顔がうまく見れなくて、また布団を見て、ははっと笑いを零してみた。
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