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「大切?」
「うん」
温もりって、どうしてこんなに気持ちいいんだろう。
ひとりって、どうしてこんなに、不安なんだろう。
自然に私も彼の腰に腕を回していた。さっちを抱きしめたくなった。
それから、触れるくらいのキスをした。
「いちまんごせんえん」と言ったら、「これも?」と、笑う。
「でも、あれだよな。一生そばにいれたら、もっと金かかるから何回したっていいか?」と開き直った。
「ま……まだなにも言ってない」
「決めろよ、俺に」
あいつを諦めたなら、あと俺しかいねーと思うけどとさっちは言う。すごく説得力があるようで、だけどそうだとは限らない。未来なんてわからない。
だけど「考える」と私は気づけば伝えていた。
「ん?」
「ちゃんと、考えてみるから」
「うん」と、さっちはまた私にキスをした。
「さっち、ダメだよ。これ以上は」と身体を離すと残念そうな溜め息を吐いた。
「仕方ねーな。髪乾かしてくるかな」と立ち上がった。
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