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どのくらいそうしてたんだろう。
「目、痛い……」
力が抜けると、なんだか笑いたくなった。それから、瞼は重いのだけど、胸の中はすっきりして、少しキラキラする。
「むっちん、ありがとう」
呟いて、床に転がっていた携帯を拾った。
[むっちん、教えてくれてありがとう。少し目が覚めた気がする。どっちがお姉ちゃんかわからんね]と送信した。
そのままボーッとしてたら、すぐに返信がきた。
[いや、俺、女じゃねーし。お前が姉ちゃんだろ]
そういうことじゃないよと笑いながら、スクロールする。
[とりあえず大丈夫だから。背負えないもの、背負うなよ。しばらくめぐみ出禁]
大量の巻を背負って押しつぶされる自分が浮かんだ。確かにそんなの私、運べないな。
置いていかないと行けないところもあって、自分の求めていた場所はそういうところなのかもしれない。
「ていうか、出禁って。実家なんですけど。もうむっちん、本当に可愛くないんだから」
笑いながら寝返りを打った。
泣いてすっきりした心と身体はどこか心地よくて、このまま眠りにつきたくなる。
だけど
「あれ?」
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