In the marble chocolate

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だって、これをもらったあの日の夜に、このことに気づいたとする。 私はたぶんわくわくして探すだろう。 そして見つけた瞬間、これだけ探してこれですか? って口を尖らすに違ない。 谷さんは、そんな私を見て笑うんだろうな。 そういえば、私にあげたいものがあったと言っていたっけ――。 また胸がズキズキした。 「普通だったら、こんな回りくどい渡し方しないよ」 呟いてみたら、すごく違和感を持った。 なんか違う。 谷さんは、普通だ。 違う。そうじゃなくて。 "俺、自分で普通だと思ってるんだけどね”と谷さんが別れ際に行った言葉を思い出した。 普通ってなんだろう。 そもそも普通なんてもの握りしめてるから、私は奇跡を見逃してきたのかもしれない。なんでも受け入れていいのだと信頼している自分がいたら、きっとこんな幸せにも気づけていたのかもしれない。
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