wereabouts of god

8/11
前へ
/687ページ
次へ
「やっぱり、さっち、尊敬しちゃうな」 さっちのことをとても愛しく感じた。 「ん?」 「愛って大きいね」 「そうそう。軽いからな。いくらでも大きくなれるし飛んでけるよ」 私は笑って 「私なんて、高校生のさっちは……首筋のホクロが好きだったことしか印象ないのに。あ、ホクロのこと内緒にしようと思ってたのに言っちゃった」 「首筋のホクロ? そんなの俺にあるのか。内緒にする意味もわかんねーけど。つうか、それしか印象ないわけねーだろ。もう少しあるだろ、もう少し」 「あとはさっちの浮気と」 「もういいや。バカめぐ。さっさと帰れよ」 「ふふふ。じゃあ行くね。お昼しっかり食べるんだよ」 「言われなくても食べるって」 「じゃあね、さっち」 「おう」 手を振る。さっちの大らかさが伝わってくると、温かくてまた泣きたくなった。
/687ページ

最初のコメントを投稿しよう!

200人が本棚に入れています
本棚に追加