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「水城さんですよね?」
「はあ」
「私のこと、覚えてますか?」
「いいえ」と言って、前を向いた。
「すみません」と言って俯いた。だけど、やっぱり本人だと思う。見間違えるわけないのに、私に対して素っ気ないところも変わっていない。
「嘘ですよ。水谷さん」と、言った。
「ですよね。水城さんが双子なわけないですもんね? じゃなかったら、ドッペルゲンガーしかいないです。こんなに似ていたら」
「はあ」
「お元気ですか?」
「まあ、そうですね」
「なんでここにいるんですか? ここは夢の中でしょうか?」
「なんでって仕事です。研修があって。夢だったら、いいですね」
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