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だけど、そこでハッとする。
私はミアちゃんの家に行くところだったし、そもそも急に現れて、私をどこに連れて行く気なんだろう。
それに、張本主任がデートしているところを見たとも言っていた。
着いていってはいけない気がして「谷さん、手、離してください」と振りほどいた。
今、彼にいい人がいるのなら、やっぱり関わってはいけない。たぶん、きっと感情的になってしまう。そんな気がしてぐっと堪えた。
「用事があるので失礼します」と、反対方向へと歩き出すと、その後ろ手をまた掴まれてしまった。
「待って、めぐめぐ」
「待つ理由ありませんもの」
「いや、だからね」
「だからねじゃないです。なんなんですか。谷さんってなんなんですか。なんで急に現れて、唐突なことして、簡単に私を困らせるんですか?」
「めぐめぐ?」
「簡単に名前、呼ばないでくださいよ」
「………」
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