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「それだけで、私がどんなにドキドキするかなんて知らないくせに。私が、どんなに後悔してたか知らないくせに。 谷さんだって、私のこと好きだったんでしょ? それに気づいて、すごく嬉しかった。それだけでいいって思ってたのに……会ったら、好きってまた言っちゃうじゃないですか」 そこで息を吐いて、小さく呟いた。 「谷さんに会いたかったのに。本当はずっと会いたかったのに。会っちゃ行けないって思ってたのに……」 「めぐめぐ」 私は顔を上げた。 「ひどいですよ。私のこと好きだったくせに。簡単に諦めないでくださいよ。追いかけてくれたって良かったじゃないですか。あのとき。そうなんでしょ?」 バカ! 谷さんのバカ! と、気づけば言い放っていた。すぐにやってしまったと後悔するけど、もう遅い。
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