次男のトラウマ

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次男のトラウマ

これは退院してから次男から聞いたのだか、私が入院するとき、主治医の先生が次男に「あとちょっと遅かったら半身不随でした、よくやりましたね、早い処置でよかった」と言ったのだそうだ。 次男は「母ちゃんが半身不随…」と震え上がり、気絶しそうになったと話した。 退院してからは、家族からビクビクした扱いを受けて、あららこんなにびびって…と、丁寧に話を聞いて、家族の怯えをとるのに時間を使った。 男ばかりで捌け口がなかったのだろう、耳を貸せば出るは出るは、あのときどのくらい不安だったか、家族の口から聞いた。 本人がのほほんとしてるのも腹が立つみたいで、いや一緒にビビりまくってもしょうがないだろうと思ったが、話を聞いた。 特に救急車に付き添ってくれた次男のビビりかたがひどかった。 末っ子なこともあって、あんなに責任者扱いされたことがなかったのだ。 端から見ると立派な体格をした大人だが、母親の前では息子だ。当事者は私なんだぞと思ったけれど、黙って話を聞いた。 多分女親のつとめだろうと思って。
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