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映える!
「春樹!?…何だ、その格好は?」
登校途中でクラスメイトの春樹を見付けた。
「何って、見りゃ分かるだろ…」
「だから、何で着物なんか着てるんだよ」
うちの学校は、制服はなく基本的には何を着てきても校則違反にはならない。
だからと言って着物を着てきて奴は見たことがない。
「バイトで貯めた金でやっと買えたんだ」
春樹はドヤ顔で両腕を広げて着物を見せびらかした。
「だから、何で着物なんだよ…」
俺にはバイト代注ぎ込んでまで着物を買う気持ちが分からない。
着物が悪いとは言わないが、高校生が着ても七五三とまでは言わないが、貫禄不足で様にならない。
「昔はみんな着物だったんだぜ
ファッションの歴史は繰り返すって言うだろ
これからは着物の時代だ」
それは絶対に違うだろ。
「どこまで遡る気だよ…」
もう呆れるしかない。
春樹は学校でもお洒落な男子として女子に人気が高い。
学校に近づくにつれ、女子の視線が集まる。
中には引いてる娘もいる。
「春樹!?何それ!映える!」
同じクラスの香奈枝がいきなりスマホで写真を撮り出した。
一人撮り出したら、もう止まらない。
男子も女子も関係なく、あっという間に人だかりとなった。
「まぁ、こうなるか…」
俺は、少し離れてこの着物騒動を写真に撮っていた。
end
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