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「そうですね。
何かしら悩みは皆さん持ってますよね」
少し棘を含ませた言葉に玲奈は少しムッとした表情を浮かべたが直ぐに笑顔を直人に向け ええ。 と頷く
薄く笑うその顔に直人は苛つく感情を抑え、なるべく冷静を装う様に落ち着いた声で話すように努め
ゆっくりと茶封筒を鞄から取り出して写真を見せる
それは以前、
探偵事務所に玲奈の調査を頼んだ時に撮れた写真たちがテーブルの上に散らばるのを直人は何の感情も無い視線を向けた
──────────────────
『西口 玲奈さんの調査結果です。』
そう目の前の探偵は写真を手渡して来て確認するように促すと直人は躊躇いもなく冷めた目線で渡された写真を確認するように数枚の写真を見る
男性とラブホテルへ入っていく写真。
車内で絡み合う様な深いキスを交わす写真。
カーセックスしている写真。
旅館らしい同じ柄の浴衣で仲睦まじく寄り添う写真
それらの写真全て同じ男性だった・・・・・・
葵とは違う男性だったのだ。
あの日見た車でホテル街へと一緒に消えた男性。
『ほぼ毎日のように居ますね。
調査も凄く楽でした。週の大半はこの男性と居ます。
多分、恋人関係に当たるじゃないかと。』
『・・・・・・ほぼ、毎日ですか・・・』
喉が震えた気がした。
直人は必死になって葵を探しているのに対して、当の婚約者は他の男と会って、恋人のように過ごしている。この男とはいつから、関係が続いているのだろう。意識せずに出した言葉に目の前の探偵は苦笑いを浮かべている
『この方とは随分、前から続いてる見たいです。
この方、羽柴 葵さんと婚約しているって聞いてます』
『知ってます』
『この写真に写る男性の名前や何処に勤めているか
軽く分かりましたが、聞きますか?
この男性の詳しい情報は別途依頼でお受けしめすが』
どうされます? と聞かれ
直人は名前と会社名だけを取り敢えず聞くだけに抑えた。
その後、葵の調査報告を聞くがあまり情報はなく
男性の名前と会社名を手にして探偵事務所を後にする
葵の他に男が居ることに腸が煮えくり返えって、探偵から貰った玲奈の調査報告結果を強く握りしめ、鞄に入れて一呼吸置いてから電話をかけたのだった
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