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目の前の女性が写真を見ると顔が引き攣った。
「俺が、とやかく言うつもりは無い。
だが、葵がこんな時に他の男と遊ぶ余裕あんの?」
玲奈は引き攣った表情を戻し、くすくすと笑う
女性の可愛らしい仕草をする髪の毛の毛先を弄り目の前に座る直人にズイッと身体を近ずけた。
襟ぐりが開いたニットワンピースの大きく開けた隙間から胸の谷間が見える。敢えて見せるような体勢。
その行動に眉を寄せた直人に玲奈はニコニコと笑う
何を考えているのか、分からず玲奈をひと睨みすると玲奈は笑みを浮かべたまま口にする
「結婚って愛情だけでするもんじゃないんですよ
葵さんに対しては愛情はあったのかと聞かれれば
無い訳じゃないんですよ。
葵さん良い人ですもん。優しいですしね。
結婚条件には最適な人ですもんね」
妖艶な笑みを浮かべて、でも・・・ と続けた
「葵さん、収入に関しても悪くないんですよ。
まぁ、高収入って言うほどでは無いんですが
そこそこ良い収入なんです。そこそこ。
葵さんは私を大事にしてくれます。
私も葵さんの事、愛情は少なからず有ります。
結婚してもいいって言う程には。」
「お前、葵の事を金づるだと思ってたのか!?」
「葵さんの事、金づる?
まぁ、そう言われればそうかも知れません。
葵さん、見た目も美青年で綺麗でしょ?
連れて歩くにも見た目がいいから
他の女性からの羨望から優越感にも浸れるんです
羨望の眼差し、ほんと気持ちいいんです
男性だって・・・・・・
美しく綺麗な女性を横に歩きたいじゃないですか?
感覚的には同じですよ
あんなに、綺麗な男性なのに
性格だって優しく欠点がないくらいいい男。
好条件すぎるいい男なの。
そんな男を女が放って置くわけ無いじゃない」
「だったら、なんで!?」
怒りで、わなわなと震える拳を必死に抑えた。
抑えないと、目の前の女性を殴りそうになったから
「葵さんに欠点と言えば、一つだけ不満な所があったの」
何だと思う? と一言置いて、玲奈は抹茶ラテを飲んだ後、妖艶な動きでカップの縁を指で滑らせる
「不満って、優しすぎるからとか?
葵はそんな所、あるからな・・・・・・・・・」
その答えに玲奈はくすくすと笑う。
「優しすぎるくらいなのは私、不満じゃないわよ
私は優しすぎるぐらいが丁度いいの。
文句も言わずにね
私の為だって尽くしてくれる人がいいの」
「不満ってなんだよ」
「葵さん。下手なの。」
眉間に寄せる眉がますます皺が深くなる
「葵さん。セックス下手なのよ
子供のセックスじゃないんだからね
私はね、もっと大人のセックスがしたいのよ
葵さん、下手くそ過ぎて満足しないのよ。
だから、身体だけでも満たさたいのよ
海渡さんはソレを満たしてくれる。
私も海渡さんもお互い結婚するつもりは今の所無いもの
身体だけの関係で今は満足してるわ」
直人は写真の中の男を睨む。
海渡 昇それが探偵の調査報告で聞いた名前だった。
玲奈は悪びれもなくそう言いのけ
何が悪いの? と言う様にくすくすと笑うのだ。
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