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「それ、本気で言ってんのか?」
「身体の相性って必要だと思うの
だけど、葵さんとは残念ながら相性は最悪だっただけ」
飲み干された抹茶ラテのカップをソーサーにコトリと置く
「そもそも、貴方には関係ないでしょ?
私が、葵さん以外の男性とセックスしてるなんて
不貞だなんて、罵られる覚えはないわよ?
その権利は・・・・・・葵さんだけしかないもの。
そうでしょ?」
「葵と結婚する気あんなら、」
「結婚は別にしなくてもいいのよ。
葵さんから、プロポーズしてくれて
こんな条件の良い男性なんか、この先居ないと思うの
まぁ、夜の生活だけは不満なだけだから
そこは、他で解消すれば良くないかな?
元々、葵さんは淡白な方だしね」
何でもない様な言い方で直人の話しを上から遮る形でニコニコと話しを続けるが、彼女は話の平行線でただ同じだけの会話になるだけだと席を立とうとしたが、直人は別の質問でそれを止める
「葵、ストーカー被害に合ってたのは知ってたか?」
玲奈はその言葉を聞いて動きが一瞬止まり直人を直視するが、直ぐに視線を外して立ち上がった腰をまたゆっくりと戻す
ギスギスした空気が一瞬和らいだ様な気がする
「葵さん、美青年ですもんね」
「茶化すな。質問に答えろ」
「ストーカーねぇ」
何か知っているような含み笑いを浮かべた玲奈に、眉を寄せた直人はひと睨みするが、怖がる様子もなくニコニコと微笑み続けソレが玲奈の不気味さが増長していく
「葵さんに執拗な男なら知ってるわよ」
玲奈は 気持ち悪い 的な目をして口元は笑って続きを述べる。鞄から煙草を取り出して慣れた手つきで灰皿を自分の近くに寄せて火をつけ吸い始める
「葵さんって、男にもモテるもんね。
ある意味、気持ち悪いわ。
たまに、男にチヤホヤされてるの見るとさ
本当、腹立つんだよね~
だってさ、女の私を差し置いてチヤホヤされてるんだよ
ホント、ムカつく
ホント、男が男にチヤホヤされたり
デレデレされたりさ、見てて気持ち悪い!
気持ち悪いのよ!」
悪態と共に紫煙を吐き出す
ユラユラと揺れる煙草の先から出る煙を直人は冷めた目で眺め玲奈の言葉を冷静に聞く
玲奈の言葉から何かしらの葵へと繋がる何かを見つけたかったのだ。
玲奈は煙草をゆっくりと吸い肺へと迎え入れ気持ちを落ち着かせるように紫煙をもう一度吐き出すと冷めた目で見る直人の瞳が目に入ると、そっと視線をずらす。
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