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「ちょっと待ってな・・・・そのことは裁判では全く話にもならんかったことじゃからのう。帳簿にでもつけとればいいんじゃが。」
そういうとばあさんは立ち上がり、家の奥のほうに入って行った。
ガサゴソと何かを探すような音がする。
私が大人しく待っていると、十五分ほどしてばあさんが戻ってきた。
手にはかなり黄ばんだ冊子を持っている。
「ほら、これじゃこれじゃ。事件当時のもんはなんか捨てられんくてな。とっておいたんじゃよ」
そういうとばあさんはパラパラと冊子のページを繰りはじめ、少ししたところでその指を止めた。
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