再会

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再会

・:*:・:・:・:*:・ それから半年が経ち、冬になった。 街はクリスマス一色に染まり、華やかなイルミネーションに包まれる。 そんな中、私が駅を歩いていると、大きなモノクロのポスターが目に入り、思わず自分の目を疑った。 左に海、右に砂浜の構図のその写真。 砂浜で遠くの海を見つめて、一雫の涙をこぼす女性。 【辛くても 前を向く あなたを 支えたい】 キャッチコピーと共にそこだけフルカラーの赤い乳酸菌飲料の写真と特保(特定保健用食品)のマークが添えられている。 これ…… 私? 綺麗に加工されてはいるが、どう見ても私だった。 思い当たるのは、あの夏の日のこと。 私は、帰宅後、ポスターの食品メーカーであるふじ乳業に抗議の電話を入れた。 「最近駅に張り出されたポスターの件で  電話しました。  担当の方はいらっしゃいますか?」 私が掛けたのはお客様窓口なので、担当者に代われるわけがないと思いながらも尋ねてみる。 『申し訳ございません。こちらの電話から  担当者にお繋ぎすることはできませんが、  どのようなご用件でしたでしょうか?』 オペレーターの対応はとても丁寧だったが、それで許されるものではない。 私はかいつまんで、事の経緯を説明した。 『それは大変ご迷惑をお掛けしました。  詳細を確認してご連絡させて  いただきたいのですが、ご連絡先を  お教え願えますか?』 私は問われるままに住所や電話番号を伝える。 『それでは、担当の者より直接ご連絡させて  いただきます。本日は田口が承りました』 私は電話を切って、ふぅ…… と大きく息を吐く。 あの時、写真を確認もしなかった。 話の内容から、プロのカメラマンなのかなとは思ったけど、まさかこんな風に広告として使われるなんて思ってもみなかった。
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