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再会
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それから半年が経ち、冬になった。
街はクリスマス一色に染まり、華やかなイルミネーションに包まれる。
そんな中、私が駅を歩いていると、大きなモノクロのポスターが目に入り、思わず自分の目を疑った。
左に海、右に砂浜の構図のその写真。
砂浜で遠くの海を見つめて、一雫の涙をこぼす女性。
【辛くても 前を向く あなたを 支えたい】
キャッチコピーと共にそこだけフルカラーの赤い乳酸菌飲料の写真と特保(特定保健用食品)のマークが添えられている。
これ…… 私?
綺麗に加工されてはいるが、どう見ても私だった。
思い当たるのは、あの夏の日のこと。
私は、帰宅後、ポスターの食品メーカーであるふじ乳業に抗議の電話を入れた。
「最近駅に張り出されたポスターの件で
電話しました。
担当の方はいらっしゃいますか?」
私が掛けたのはお客様窓口なので、担当者に代われるわけがないと思いながらも尋ねてみる。
『申し訳ございません。こちらの電話から
担当者にお繋ぎすることはできませんが、
どのようなご用件でしたでしょうか?』
オペレーターの対応はとても丁寧だったが、それで許されるものではない。
私はかいつまんで、事の経緯を説明した。
『それは大変ご迷惑をお掛けしました。
詳細を確認してご連絡させて
いただきたいのですが、ご連絡先を
お教え願えますか?』
私は問われるままに住所や電話番号を伝える。
『それでは、担当の者より直接ご連絡させて
いただきます。本日は田口が承りました』
私は電話を切って、ふぅ…… と大きく息を吐く。
あの時、写真を確認もしなかった。
話の内容から、プロのカメラマンなのかなとは思ったけど、まさかこんな風に広告として使われるなんて思ってもみなかった。
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