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デート
早速、和真さんは週末にデートの約束を取り付けてきた。
行き先は長野県。
思わず耳を疑った。
初デートが片道2〜3時間はかかるスキー場!?
しかも、私、スキーなんて中学の宿泊研修で少し習っただけ。
ほとんど滑れないのに。
だけど、そう言ったところで、和真さんは、
「大丈夫。俺が教えるから。
安心しておいで」
と言うばかりでこちらの言うことなど、全く聞く耳を持たない。
なんて強引な人なの!?
初対面の時、物腰が柔らかで優しげだと思った私の目が節穴だったってこと?
でも、結局、押し切られる形で約束させられ、私はスキーのための荷造りをしている。
何してるんだろ、私。
土曜の早朝4時に迎えに来るって言われて、私は20時に寝ようと思ったけど、普段寝ないそんな時刻に寝られるわけもなく、布団でゴロゴロと寝返りを打ち続け、22時にようやく眠りに就いた。
午前3時にけたたましく鳴るアラーム。
眠いっ!!!!
なんでこんな夜中に起きなきゃいけないのよ。
私はひとり、ぶつぶつと文句を言いながら、寝癖を直し、念入りに化粧をして身支度を整える。
スキーだもん、日焼け対策は万全にしないとね。
私は何も知らない中学生の時、子供用の日常使いの日焼け止めしか持っていかず、くっきりはっきりサングラス焼けをしてしばらく恥ずかしい思いをした苦い思い出がある。
さすがにもうあんな恥ずかしい思いはしたくない。
SPF50+++の強力な日焼け止めを塗り、化粧の上からでも大丈夫なスプレータイプの日焼け止めも持った。
よし、完璧!
準備を終えて、ひとり彼を待ちながら、気づいた。
私、今週、和真さんの事ばかり考えてない?
でもそれは、決して好きとか会いたいとか、そういう甘い感情ではないから!!
私は、自分で自分に言い訳をする。
私はまだ、ちゃんと剛士を思ってるって。
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