02 タマさんと神社の秘密 2

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 タマさんがなにをやったのか、ぼくにはよくわからない。  だけど、あれ以来、裏口から入っても、あのヘンな場所に行くことはなくなった。  あのときは、タマさんが「道を開いていた」だけで、いつもはめったなことで迷いこんだりしないらしいから、いまも変わらず、あの人たちはおなかがすいているのかもしれない。  神社の裏、すみっこのほうに石を置いて、ぼくはおまんじゅうをお供えする。  妖怪はなにが好きかわからないから、ポテトチップスをちょっとだけ持ってきたりもする。あのとき、ぼくとおなじぐらいの子どもの声も聞こえたと思うから。  ぼくのたましいはあげられないけど、かわりにお供えものを食べてくれたらいいなと思うんだ。
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