私は男の人が苦手だ

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私は男の人が苦手だ

単刀直入に言おう。私は、男の人が苦手だ。特に同い年、高校生の男子が。 何故急にこんなことを言い出したのかって? 「ずっと前から滝田のことが好きでした。付き合ってくれませんか?」 それは、私、滝田 梢(たきだ こずえ)が現在進行形で同じクラスの男子に告白されているからだ。 「・・えーっと、き、気持ちは嬉しいんだけど・・・。ご、ごめんなさい。」 「・・そっか。あの、理由聞いていい?」 「その、私、恋愛に興味ないっていうか・・。男の人も苦手だし・・。」 「・・好きな人いるとかじゃ、ないんだな?」 「・・・えっ?」 「だから、好きな人いるとかじゃ、ないんだな?」 「まあ、そうだけど。」 「それなら、俺、諦めねーから。」 その男子はそういうと、私に向かって、所謂壁ドンというやつをした。 ・・急に壁ドンされると、ドキッとするな。・・・怖さで。 「えーとっ・・・?」 かと思ったら、なんだか顔を近づけてくる。 え、待って待って待って。何する気なの!?えっ・・。いま、告白断ったよね? そんなことを考えている間にも、顔は近づいてくる。 ・・・・・・怖い。体が震え出す。・・これじゃ、あの時からなにも変わらないのに・・。 「おーい。そこ、なにやってるの?」 そんなとき、誰かが、私たちに声をかけた。高さからして、女の人だ。 「・・いま、告白中なんで邪魔しないでくれますか?」 私に告白してきた男子が不機嫌そうにそういう。 「・・・そう。でも、私、滝田さんに用事あるから。」 だけど、女の人はそんなのを気にせず、私を男子の腕から抜け出させた。 「ごめんね。また今度にしてあげて。」 そういうと、私を引っ張りながらその場を後にする。 「おい、まてよ。」 きれたように男子が何かいってきたが、それも無視してずんずん進んでいく。
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