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私の名前は『明音(あかね)』、高校の頃は野球部のマネージャーで練習スケジュールを管理したり、部員の皆の身の回りの世話をして練習を助けたりしていた。
もちろん私は選手として試合に出ることはできないけれど、部員の皆が頑張る姿を毎日見て私自身も元気に頑張ろうという気持ちを持つことができた。
私は高校に入学したときは、野球部ではなく女子ソフトボール部に入部した。
私の家の近所に住んでいた裕太は幼稚園の頃からの幼なじみで、同じ高校に合格してクラスは違ったけれど時々部活が終わる時間が合った時に一緒に帰る仲だった。
野球部と女子ソフトボール部の夏の大会が終わって少し寒さが増してきた高校1年生の12月のある日、部活が終わって帰るときに裕太に声をかけられた。
「明音、部活終わった?」
「うん、今帰るところ!」
私が答えると裕太が、
「じゃぁ、一緒に帰ろうか?」
と誘ってきたので私は、
「いいよ」
と気軽に返事をした。
私達は電車通学で高校の最寄り駅まで10分ほど歩いて、20分ほど電車に乗ると自宅の最寄り駅に着く。
私の家は最寄り駅から15分ほど歩いた所にあるが、裕太の家は私の家からさらに5分ほど歩いた所にある。
私達はいつものように高校の最寄り駅に向かって歩いていると、いつもは元気に話す裕太がこの日はどことなく元気がないように感じた。
「裕太、どうしたの?
体調でも悪いの?」
私が心配して話しかけると神妙な面持ちで裕太が話し出した。
「明音、大事な話があるんだけどね!
ちょっと公園寄ってかない?」
私は裕太に従って駅に向かう途中にある公園に入り、私たちはベンチに並んで座った。
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