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「私裕太のフィアンセだと思ってた。」
私が少しうつむいて泣きそうになりながら話をすると、裕太が慌てて私に謝ってきた。
「ごめん、覚えてない。」
申し訳なさそうに話す裕太の真面目な顔を見て、また私は笑ってしまった。
私はこんな真面目で純粋な裕太のことが、何故か憎めなくてとても好きだ。
裕太がなぜ笑われたのか理解できないようだったので私は正直に話をした。
「幼稚園の頃の話は本当のこと…
でも私がフィアンセだと思っていたという話は冗談…」
「何だ、騙された。」
裕太はほっとしたようだった。
「さすがに幼稚園の頃の約束で婚約したことにはならないでしょう!」
私が突っ込みを入れると、
「まぁ、そうだと思うけど…」
と裕太も納得したように話した。
「裕太、これからも恋人として、よろしくお願いします。」
私が丁寧な口調で発言すると裕太が、
「こちらこそ…
って言うか、明音にはかなわないよ!」
とすっかり私の調子に乗せられたと感じた裕太が嘆いた。
「そろそろ帰ろう!」
私が裕太を誘うと、
「そうだね、帰ろう!」
と言ったので、私達は公園を出て駅に向かった。
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