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選手控室に戻っても裕太は泣き続けていた。
皆も裕太の姿を見て、重苦しい雰囲気になっていた。
裕太が涙をこらえて皆に話しはじめた。
「皆、ごめん!
僕のせいで甲子園に行けなくて…
ホームランを打たれたのは、ピッチャーである僕の責任だ!」
この言葉を聞いたキャッチャーの『敦紫(あつし)』君が言葉をかけてくれた。
「お前のせいなんかじゃないよ!
それよりも僕達が決勝戦まで駒を進めることができたのは、裕太の頑張りのおかげだよ!」
するとサードの『陽輝(はるき)』君も言葉をかけてくれた。
「そうだよ!
裕太のおかげだよ!
僕は県大会で準優勝できてとても嬉しいよ!」
いつの間にか裕太の周りに部員皆が集まっていて、みんな自分の思いを話しはじめた。
「そうだよ!
我が校の野球部は、今まで決勝戦まで駒を進めたことがないんだから、これは快挙だよ!
ピッチャーの裕太が一番頑張ってくれたんだよ!」
この野球部員からの言葉を聞いて、裕太は落ち着きを取り戻したようだった。
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