冠着山

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「わしは天罰なぞ下しはせん。どうせお前の母は余命幾ばくもない。じゃが、お前はまだまだ生きねばならん。じゃから、わしは大目に見てやるのじゃ。」 「し、しかし・・・」 「なんじゃ、母を可哀想に思うのか?」 「はあ・・・」 「しかし、このままだと金がなくなるぞ!」 「はあ・・・」 「そこでじゃ、取引をしようじゃないか!」 「と、取引?」 「そうじゃ、ほれ、この赤い実をじゃな。」と言って老人は懐からマンリョウの実を一つ取り出して、ぽいっと無造作に小太郎に向かって投げると、なんと、その一粒が千両箱十箱になって小太郎の目の前にどっさりと現れたのじゃった。
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