隣人

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俺は、家に着くとポストを覗いて手紙を取り玄関に入った。無造作に下駄箱の上に手紙を投げると、袋に入っている骨壺を玄関の隅に置く。すぐにでも窮屈な喪服を脱ぎたくて、ネクタイを取りながら茶の間に入っていく。喪服から解放された俺は「ふ~」とため息をつくとその場に横になった。 「疲れたな」 何とか終わったことにホッとしながらも、俺はお袋の事を考えた。 あのお袋がいないのか。何か実感がわかないが死んだんだな。今日から一人の生活になるのか。飯作るのが面倒だな。朝起きれるか心配だ。うるさかったけど時間にはきちんと起こしてはくれていた。目覚まし2個ぐらいあった方がいいか。など考えていると 「あれ?」 いつの間にか、耳の方が冷たいのに気がつく。手で拭ってみると自分が流した涙だと分かる。 「涙が出るとはね」 俺は頭を振り、涙を拭きながら起き上がると冷蔵庫から適当に食べ物を出して食べだした。 「悲しくなくても涙って出るんだな。腹も減るしな」 独り言を言いながら食べ終わると、2階の自分の部屋に行く。ベッドに横になり携帯でネットニュースをチェックする。 一通り見終わるとやはり気が張っていたのか疲れてそのまま寝てしまった。
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