隣人

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夢を見た。 お袋の夢だ。夢の中のお袋は何か騒いでいる。騒いでいる場所はなぜかお隣の内山さんの家の中だ。 「なんだよ。相変わらずよその家でも騒いでいるのかよ。しかも家の中まで上がりこんで」 俺は呆れて見ていた。 しかし、見ていて何かおかしい。普段のお袋と違う。いつも、自分が一番で文句を言うのも悪びれることなく堂々としているお袋が、顔を赤くしながら内山夫婦に文句を言っている。家の家具を倒したり、茶碗を投げたりと散々だがいつものお袋とはちょっと違う。夢の中の俺は内山さん家の庭にいてその様子を見ている。 「お袋何してんだよ」 と声をかけた。 お袋はすごく興奮しているようで、俺の呼びかけに気がつかない。何回か呼んでようやくこちらに気がついた。 お袋は、顔を赤くしたままこちらに来ると 「ちょっと聞いてよ!この人うちのポストの手紙を盗み見してるのよ!失礼しちゃう!」 「え?うちの手紙を?盗み見ってどういうこと?」 「だから!うちが留守の間を見計らってポストを開けて手紙を見てるの!頭に来る!」 そう言うと、足元にあった植木鉢を蹴っ飛ばした。植木鉢は派手に転がり、何だか分からない花が飛び出した。 そこで、俺の夢は終わった。
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